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その石を見た瞬間、浮かんだのは兄・エドワードだった。
明るい黄色。しかし色なら、アルフォンスも同じ金髪金目で――不思議に思って、アルフォンスは店員にその石について聞いた。

「この石……シトリンは商売繁盛・富をもたらす『幸運の石』や『太陽の石』と呼ばれています。あと、太陽のエネルギーを持っていて、希望や勇気など明るいエネルギーを周囲にもたらしてくれます」
「買います」

即決した。それはエドワードにピッタリ、いや、むしろそのものだ。
そんな訳で、アルフォンスはナンバーワンになった兄の為に、シトリンのカフリンクス(ホストはネクタイはしないので)を購入した。それから、石の意味を伝えてエドワードにプレゼントした。

「ありがとな、アル!」

そう言って受け取ってくれたエドワードの笑顔は、それこそプレゼントしたシトリンのように、あるいは太陽のように眩しく輝いていた。
……そして、あの時と同じ輝きは今も、最愛の兄の袖口に宿っている。



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